夏休みの過ごし方【小学5年生編】6年生につながる中学受験の土台をつくる

小学5年生の夏休みは、中学受験に向けた基礎を整える大切な期間です。

6年生ほど受験本番が近いわけではないため、まだ時間に余裕があるように感じるかもしれません。

しかし、5年生で学ぶ内容には、6年生の算数や理科、入試問題へとつながる重要な単元が数多く含まれています。

5年生の内容が曖昧なまま6年生へ進むと、新しい単元を学びながら、前の学年の復習にも戻らなければならなくなります。反対に、5年生の夏休みに基礎をしっかり整えておくと、6年生になってからの学習に余裕が生まれます。

夏休みだからといって、毎日長時間勉強したり、新しい問題集を何冊も増やしたりする必要はありません。大切なのは、これまでに学習した内容を振り返り、苦手なところを一つずつ減らしていくことです。

今回は、高槻市で中学受験を考えている小学5年生のご家庭に向けて、夏休みの生活リズムや計画の立て方、夏期講習の受け方、教科ごとの学習ポイントをご紹介します。

まずは夏休みの生活リズムを整える

小学5年生の夏休みで最初に意識したいのは、勉強時間を増やすことよりも、毎日の生活リズムを整えることです。

夏休みになると、学校がない安心感から、夜寝る時間や朝起きる時間が少しずつ遅くなりがちです。

しかし、睡眠不足の状態では集中力が続かず、時間をかけて机に向かっていても、思うように学習内容が身につきません。

夏期講習がある日は、朝から授業を受けることもあります。朝食を取らずに出かけたり、夜遅くまで宿題をしたりする生活が続くと、夏休みの後半に疲れが出てしまいます。

起きる時間、寝る時間、勉強を始める時間を大まかに決め、できるだけ毎日同じリズムで過ごしましょう。

宿題が終わらないからといって毎日夜遅くまで取り組むのではなく、翌日の朝や予備日に回すことも必要です。

中学受験に向けた学習は、一日だけ頑張るものではありません。体調を整えながら、無理なく続けることも大切な受験準備の一つです。

夏休みの計画は親子で一緒に考える

夏休みを有意義に過ごすためには、最初に大まかな計画を立てておくことが大切です。

ただし、朝から夜まで予定を詰め込んだ完璧な計画表を作る必要はありません。

予定を細かく決めすぎると、一つできなかっただけで全体の計画が崩れ、「もう間に合わない」とやる気を失ってしまうことがあります。

小学5年生の場合は、夏休みを大きく3つの期間に分けて考えてみましょう。

‣ 7月中 — 夏期講習の生活リズムに慣れながら、学校の宿題や計算、漢字などの基礎学習を進めます。

‣8月前半 — 1学期までに学んだ内容を振り返り、苦手な単元や間違いの多かった問題を重点的に復習します。

‣8月中旬 — 夏休みに取り組んだ内容をもう一度確認し、解けなかった問題や覚えきれていない知識を整理します。

計画を立てるときは、保護者の方だけで決めるのではなく、

お子さまにも「この夏にできるようになりたいこと」を考えてもらいましょう。

「必ず取り組むこと」と「余裕があれば取り組むこと」を分けておくと、予定が少しずれても調整しやすくなります。

週に1日程度は、遅れを取り戻すための予備日や、学習量を少し減らす日を作っておくと安心です。

夏期講習の目的を理解する

小学5年生の夏期講習では、これまでに学習した内容の復習に加え、少し難しい応用問題に取り組むこともあります。

授業を受けた日は、「長時間勉強したから大丈夫」と思ってしまいがちですが、授業を聞いただけでは、学習内容が完全に身についたとは限りません。

大切なのは、授業中に解けなかった問題や、先生の説明を聞いて分かった問題を、もう一度自分の力で解いてみることです。

復習するときは、次の点を確認しましょう。

‣ どこまで自分で考えられたか
‣ どの部分で分からなくなったか
‣ 解説を見ずにもう一度解けるか
‣ 数日後にも同じ考え方を使えるか

その日のうち、または翌日までに一度復習し、さらに数日後にもう一度解き直すと、理解が定着しやすくなります。

夏期講習で多くの問題に出会うことよりも、その中から「前は解けなかったけれど、今は解ける」という問題を増やすことが大切です。

算数は「比と割合」を重点的に復習する

小学5年生の夏休みに、算数で特に優先して復習したいのが「割合」「比」です。

割合や比の考え方は、5年生だけで終わる内容ではありません。

6年生の入試問題でも頻繁に登場し、速さ、濃度、売買損益、図形など、さまざまな単元で使います。また、理科の計算問題でも割合や比の考え方が必要になります。

夏休みのうちにしっかり身につけておくことで、今後の学習が進めやすくなります。

まずは、次のような基本問題を見たときに、すぐに式が浮かぶ状態を目指しましょう。

・800円の2割5分はいくらか
・1,200円の20%増しはいくらか
・600gの30%は何gか
・定価の15%引きはいくらになるか

例えば、800円の2割5分は、800円の25%です。

800×0.25=200となるため、答えは200円です。

1,200円の20%増しの場合は、もとの金額に20%分を加えるため、1,200×1.2=1,440円となります。

定価の15%引きは、定価の85%を支払うということなので、「定価×0.85」で求められます。

答えが出せるだけでなく、「なぜ0.85を掛けるのか」「何をもとにした割合なのか」を説明できることが大切です。

割合の計算は、毎日の計算練習に3問から5問程度取り入れ、素早く正確に求められるようにしていきましょう。

分数が理解が出来て、消費税の計算をしながらお買い物をお母さんとしている雰囲気

比では「分数倍」の考え方を理解する

比の学習では、比と分数倍の関係を理解しておくことが重要です。

例えば、次の2つは同じ数量関係を表しています。

AはBの5分の3倍
‣ A:B=3:5

「AはBの5分の3倍」という表現を見たときに、A:B=3:5と考えられるようになると、比の問題が解きやすくなります。

反対に、A:B=3:5を見たときは、「AはBの5分の3倍」「BはAの3分の5倍」と考えられます。

数字や公式だけを覚えるのではなく、線分図や長さの異なる棒を描き、数量の関係を目で確認してみましょう。

夏休みは新しい問題にどんどん手を出すよりも、

比と割合を繰り返し復習し、
「問題を見たときに考え方が浮かぶ」状態を目指す

ここが固まると、6年生の算数や理科を学ぶうえで大きな助けになります。

算数は問題数よりも解き直しを大切にする

夏休みは時間があるため、新しい問題集を購入したほうがよいのではないかと考える保護者の方もいらっしゃいます。

しかし、まずは現在使っている塾の教材や、これまでのテストで間違えた問題を見直すことをおすすめします。

一度解いた問題でも、時間がたつと解き方を忘れてしまうことがあります。

間違えた問題は、次の順番で解き直しましょう。

  1. どこで間違えたのかを確認する
  2. 解説を読み、考え方を理解する
  3. 解説を閉じて自分で解く
  4. 数日後にもう一度解く

答えを覚えているだけでは、本当に理解したことにはなりません。

数字や聞かれ方が変わっても解けるか、自分の言葉で解き方を説明できるかまで確認しましょう。

また、計算練習は短時間でも毎日続けることが大切です。

計算は、数日取り組まないだけでもスピードや正確さが落ちやすいものです。3問でも5問でも構いませんので、毎日の学習に取り入れましょう。

国語は文章中の「根拠」を探す練習をする

国語は、長い文章をたくさん読めば自然に点数が上がるとは限りません。

中学受験の国語では、文章を読む力に加えて、設問が何を聞いているのかを理解し、文章中から答えの根拠を見つける力が必要です。

選択肢問題では、正解したかどうかだけでなく、ほかの選択肢がなぜ違うのかを確認しましょう。

記述問題では、模範解答をそのまま写すのではなく、自分の答案に何が足りなかったのかを見直します。

・問いに合った答え方ができていたか

・必要な理由や気持ちが書けていたか

・文章中の言葉を使えていたか

・主語と述語が正しくつながっていたか

このように一つずつ確認することで、国語の「解き方」が少しずつ身につきます。

また、漢字や語句は一度にまとめて覚えるのではなく、毎日少しずつ取り組みましょう。

間違えた漢字は書き直すだけでなく、その漢字を使った熟語や短い文章も一緒に確認すると、記憶に残りやすくなります。

夏休みには読書の時間も取り入れる

小学5年生の夏休みには、普段より少し長い文章や、自分がこれまで読んだことのない分野の本に触れることもおすすめです。

ただし、中学受験のために難しい本を無理に読ませる必要はありません。

物語文、伝記、科学の読み物、歴史に関する本など、お子さまが興味を持てる本から選びましょう。

読み終わったあとに、「どの場面が印象に残った?」「この人はなぜこうしたと思う?」と聞いてみると、文章の内容を整理し、自分の言葉で説明する練習になります。

読書感想文のようにきれいにまとめる必要はありません。

感じたことや分かったことを短く話すだけでも、国語の読解や記述につながる大切な練習になります。

理科は言葉と仕組みを結びつけて復習する

理科は、用語を覚えるだけでなく、「なぜそのようになるのか」という仕組みを理解することが大切です。

例えば、植物、天体、電気、物の溶け方などの単元では、図や実験結果と用語を結びつけて整理しましょう。

教科書や塾のテキストを読み返すだけでなく、図を自分で描いたり、実験の流れを説明したりする学習がおすすめです。

理科の計算問題では、公式だけを暗記するのではなく、何を求めるための式なのかを確認します。

特に割合や比を使う問題は、算数の学習ともつながっています。

算数で比と割合の基礎を固めておくことが、理科の得点力を伸ばすことにもつながります。

間違えた問題は、「知識を覚えていなかったのか」「図や表を読み取れなかったのか」「計算で間違えたのか」を分けて考えましょう。

社会は地図や資料と一緒に覚える

社会は、言葉だけを一問一答形式で覚えるよりも、地図や写真、グラフ、年表などと一緒に確認するほうが理解しやすくなります。

都道府県や地形、気候、農業、工業などを学習するときは、場所と特徴を結びつけることが大切です。

例えば、農産物の名前だけを覚えるのではなく、

「なぜその地域で多く作られているのか」
「どのような気候や土地が関係しているのか」
「どこへ運ばれているのか」

まで考えてみましょう。

資料やグラフの問題では、数字だけを見るのではなく、タイトル、単位、年代、最も多い項目、変化している部分を順番に確認します。

社会も、ただ暗記する教科ではありません。

地域や出来事のつながりを考えながら覚えることで、初めて見る資料問題にも対応しやすくなります。

毎日続ける学習と時間をかける学習を分ける

夏休みの学習は、すべての教科を毎日同じ時間ずつ勉強する必要はありません。

計算、漢字、語句、理科・社会の一問一答などは、短時間でも毎日続けることが効果的です。

一方で、算数の文章題や国語の読解問題、理科・社会の苦手単元の復習は、ある程度まとまった時間を取って取り組みます。

例えば、午前中は算数や国語など考える時間が必要な学習に取り組み、午後や夕方に漢字や知識の確認を行う方法があります。

お子さまの集中しやすい時間帯や、夏期講習の予定に合わせて調整しましょう。

大切なのは、学習時間の長さだけでなく、その時間に何を身につけるのかを明確にすることです。

点数だけでなく「なぜできなかったのか」を見る

夏休み中は、夏期講習の確認テストや模試を受ける機会も増えます。

結果を見ると、点数や順位に目が向きやすくなりますが、小学5年生の段階では、点数だけで判断しないことが大切です。

同じ間違いでも、その原因はお子さまによって異なります。

  • 単元の考え方を理解できていなかった
  • 問題文を読み違えた
  • 計算ミスをした
  • 時間が足りなかった
  • 解き方は分かっていたが途中式を書かなかった
  • 覚えていた知識を思い出せなかった

できなかった理由が分かると、次に何を勉強すればよいかが見えてきます。

単に答えを直すだけでなく、「どこで考え方が止まったのか」「次は何に気をつけるのか」まで確認しましょう。

この振り返りを繰り返すことが、自分の間違いに気づき、自分で学習方法を考える力につながります。

保護者は管理するよりも声をかける

夏休み中は、保護者の方がお子さまの勉強を見る機会も増えます。

予定通りに進んでいなかったり、集中できていなかったりすると、つい「早くしなさい」「まだ終わっていないの?」と言いたくなることもあるでしょう。

しかし、毎日の学習を細かく管理しすぎると、お子さまが自分で考えて行動する機会が少なくなることがあります。

「今日は何をする予定?」
「どこが難しかった?」
「明日は何から始める?」

このように、お子さま自身が考えられる聞き方を意識してみてください。

すべてを任せるのではなく、困っているときには一緒に予定を整理し、できたことを認めることが大切です。

個別指導で一人ひとりの課題を見つける

小学5年生になると、学習内容が複雑になり、お子さまによってつまずく場所に違いが出てきます。

算数が苦手に見えても、実際には小数や分数の計算が不十分な場合もあれば、問題文から数量関係を読み取ることに苦労している場合もあります。

国語でも、文章を読むことが苦手なのか、設問の意味を理解できていないのか、答えを文章にまとめることが難しいのかによって、必要な学習は異なります。

個別指導では、正解や不正解だけでなく、途中式や考え方を確認しながら、どこでつまずいているのかを見つけることができます。

分からないまま先へ進むのではなく、必要なところまで戻り、一人ひとりのペースで基礎を確認できることは、個別指導の学習塾ならではの安心感です。

まとめ|小学5年生の夏休みは6年生への準備期間

小学5年生の夏休みは、受験問題を次々と解く期間ではありません。

本当に大切なのは、これまでに学習した内容を振り返り、分からないままになっている部分を一つずつ減らすことです。

算数では、6年生の学習や理科にもつながる比と割合を重点的に復習しましょう。

国語では、文章中から答えの根拠を探し、自分の言葉で説明する力を育てます。

理科は用語と仕組みを結びつけ、社会は地図や資料を使いながら、知識のつながりを整理することが大切です。

そして、計算や漢字などの基礎学習を毎日少しずつ続けましょう。

「昨日できなかった問題が今日は解けた」
「分からなかった理由が自分で分かった」

そのような小さな経験の積み重ねが、6年生になってからの学習を支えます。

焦って新しい教材を増やすよりも、今使っている教材を丁寧に復習し、自分で考えて解ける問題を増やしていきましょう。

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